田口自身の学びや臨床経験を整理し、アウトプットする目的も兼ねて執筆しています。専門的な内容も含まれますが、皆さまがご自身の体や神経の仕組みを理解し、お悩み解決のきっかけになれば幸いです。
目は「見る」ためだけの器官ではありません。実は、私たちの姿勢や体のバランスを整えるための重要な情報源でもあります。例えば、まっすぐ立っているだけでも、私たちの目は常に周囲の情報を集め、脳へと送っています。そしてその情報が前庭系や小脳と統合されることで、「体が今どこにあるのか」「傾いていないか」を脳が把握し、姿勢の微調整が行われているのです。
この仕組みを考える上で重要なのが「視覚入力」と「体性感覚」「前庭感覚」の3つの情報です。これらは常に脳幹や小脳で統合され、無意識のうちに筋肉の出力パターンを変化させています。例えば、目からの情報がズレていると、体は本来必要のない筋緊張を起こして姿勢を保とうとします。長時間のデスクワークで肩や首が凝るのも、単なる筋肉疲労ではなく、視覚情報の偏りが原因のことが多いのです。
スムーズパースー(追従性眼球運動)やサッカード(衝動性眼球運動)といった眼球運動も、この姿勢制御と密接に関係しています。例えば、視線を左右に動かすスムーズパースーでは、動眼神経や外転神経を介して脳幹から筋出力への微調整が行われ、結果として体幹や下肢の筋バランスにまで影響を与えます。また、サッカードは頭部や体の向きを素早く切り替えるための準備動作ともいえ、姿勢反応のタイミングに関与しています。
このように、目の動きが悪い、視線が安定しないといった状態は、単なる「目の問題」ではなく、姿勢全体やバランス感覚にも影響を及ぼします。特に前庭系との連携が乱れると、わずかな姿勢のブレや体軸の偏りが起こり、それが慢性的な肩こりや腰痛、ストレートネックなどにつながることも珍しくありません。
実際の施術でも、視覚と姿勢の関係を踏まえてアプローチを行うと、筋肉への直接的な刺激だけでは得られなかった変化が起こることがあります。例えば、目の追従運動を改善するだけで片脚立ちの安定性が増す、頭部の位置感覚が変わって頸部の筋緊張が緩むといった反応は珍しくありません。これは、視覚入力が全身の運動パターンに大きく関与していることの証拠です。
目と姿勢の関係を理解し、そこに介入することは、自律神経のバランスを整えるうえでも大切です。交感神経と副交感神経の出力は、姿勢の安定性や前庭情報の処理と深く結びついており、視覚の偏りを整えることが神経系全体の調整につながるケースも多くあります。
このような神経学的な考え方を取り入れた施術を行うことで、単に「筋肉をほぐす」だけでは届かなかった領域へのアプローチが可能になります。慢性的な不調に悩んでいる方や、原因がわからないまま肩こりや自律神経の乱れが続いている方は、ぜひ一度「目と姿勢のつながり」に着目した施術を体験してみてください。
福岡天神のぐっすり整体 頭の整体 福岡天神院では、こうした神経の仕組みに基づく施術を通じて、根本的な改善を目指しています。
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ぐっすり整体 福岡天神院は、やさしいタッピングを中心とした神経アプローチで、
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