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【17】頭痛と神経の関係を整理する

頭痛と神経の関係を整理する――三叉神経・後頭神経・VORの視点

こんにちは、ぐっすり整体・田口です。
これまで「後頭下筋群」「VOR(前庭動眼反射)」を中心にお話してきました。今回は一歩引いて、頭痛と神経のつながりを整理しつつ、「なぜ首と目を一緒に見る必要があるのか」を深掘りします。

頭痛は“どの神経が騒いでいるか”で見えてくる

整体の現場では「頭痛」と一言で言っても、原因や背景は実にさまざまです。大きく分けると次のようなタイプがあります。

  • 緊張型頭痛:首・肩の筋緊張がベース。長時間のデスクワークや呼吸の浅さで悪化しやすい。
  • 片頭痛(血管性要素):脳血管の拡張と三叉神経の興奮が関与。光・音・匂いへの過敏さや吐き気を伴う。
  • 頸原性頭痛/後頭神経痛:上位頸椎(C1–C3)や後頭下筋群の緊張がトリガー。後頭部〜側頭部に放散する痛み。

※危険サイン(レッドフラッグ)がある場合は、まず医療機関での診察が大前提です。

三叉神経:顔と硬膜の“警報装置”

三叉神経は「顔の感覚神経」として有名ですが、実は頭蓋内の硬膜周囲の痛覚入力も担っています。
そのため、首や顎の緊張・目の酷使・ストレスなどが集まると、三叉神経核に入力が集中し、こめかみのズキズキ・目の奥の痛みとして表れます。

ここで重要なのは、原因は一箇所ではないということ。
首だけ・目だけをアプローチしても戻りやすいのは、三叉神経が多方面の入力を統合しているからです。

後頭神経:首の付け根からの信号

  • 大後頭神経:C2後枝から出て後頭部へ。筋肉の過緊張や圧迫で後頭部〜頭頂に刺すような痛み。
  • 小後頭神経:C2(+C3)前枝から出て耳の後ろ〜側頭部へ。耳の後ろの違和感や偏頭痛様の症状を作ることも。

このエリアを支配するのが後頭下筋群(大・小後頭直筋、上頭斜筋など)。PC作業やスマホ姿勢で固まると、神経がメカニカルに刺激され、頸原性頭痛/後頭神経痛に直結します。

VORと頸眼反射:首と目の“協調システム”

  • VOR(前庭動眼反射):耳の前庭器官(半規管・耳石器)が頭の動きを検知し、眼を反射的に動かして視線を安定させる。
  • 頸眼反射:首の深部感覚(固有受容器)が眼球運動を補正。

長時間の画面作業では、目が一点に固定され、首はわずかに緊張し続けます。
→ 後頭下筋群が過活動 → 三叉神経・後頭神経系への刺激増加 → 慢性的な頭痛や目の奥のだるさへ。

つまり「首と目」を同時に扱う必要があるのは、この神経的な連動システムに理由があるのです。

ぐっすり整体でのアセスメントとアプローチ

1. アセスメント

  • 後頭下筋群の圧痛・硬結
  • 上位頸椎のうなずき・回旋制限
  • 眼球運動(追従・サッカードの質)
  • VORテスト(軽い頭回旋で視線が安定するか)
  • 後頭神経走行部の軽圧で症状が変わるか

2. 手技(ソフトタッチ・深追いしない)

  • 後頭下筋群の軽い筋膜リリースや関節誘導
  • 「軽い手技で変化が出なければ深追いしない」を徹底。強い圧や長時間の刺激は逆効果になりやすい

3. ニューロトレーニング(同時入力を活用)

  • 視線固定+微小うなずき(VOR刺激)
  • 目の追従+首の小回旋(頸眼反射と協調)
  • 呼吸拡張+視線の遠近切替(自律神経+眼の調整)

複数を同時に組み合わせることで、脳が「正しい動き方」を学び直し、再現性の高い変化につながります。

自宅でできる“首と目のセルフケア”

無理なく「首と目を同時に」使うのがポイント。

  • 視線固定VORミニ:カードの●を凝視しながら、頭を左右に1〜2cm動かす。20〜30秒。
  • 頸眼連動うなずき:視線を下げて一点を見つつ、数ミリだけうなずく。5回×2セット。
  • アイソメトリック+脱力:後頭部に手を当てて軽く抵抗→脱力。3回。

違和感が強い日は無理をせず中止してください。

まとめ

  • 頭痛は「筋肉」だけでなく、三叉神経・後頭神経・自律神経のネットワークが関与。
  • デスクワーク姿勢は後頭下筋群を固め、神経系の過活動を招く。
  • 軽い手技+神経系トレーニングの組み合わせで戻りにくい変化が期待できる。
  • 自宅では「首と目を同時に動かす軽いエクササイズ」が有効。

次回は、VORを安全に鍛えるためのステップ設計をもう少し分解してお伝えします。






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