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【14】首と頭痛を反射から考えてみる

後頭下筋とVOR(前庭動眼反射)から考える首と頭痛のつながり

今回も「後頭下筋群」のお話です。長文になりますが、首や頭痛に悩む方にとって役立つ内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。


後頭下筋とは?

後頭下筋群は、頭の後ろ・首の付け根にあるとても小さな筋肉の集まりです。大きな筋肉のように力強く動かす役割ではなく、頭の角度や微細な位置の調整を担っています。

たとえば、スマホを長時間見ていると首の付け根が重だるくなる経験をされた方も多いのではないでしょうか。その原因の一つが、この後頭下筋群の働きすぎによる過緊張です。

VOR(前庭動眼反射)とは?

VOR(Vestibulo-Ocular Reflex:前庭動眼反射)は、頭を動かしても目が同じ対象を追い続けられる仕組みのことです。

たとえば、電車の窓から外を見ているとき、頭を揺らしても景色がぶれずに見えるのは、この反射のおかげです。耳の奥にある前庭器官(バランスを感じるセンサー)が頭の動きを感知し、脳に伝え、眼球をすばやく補正します。この一連の反射が「VOR」です。

そして、このVORの働きを支える重要な筋肉のひとつが後頭下筋群。首の角度と目の位置を一致させるため、首の小さな筋肉が絶えず働き続けています。

後頭下筋と頭痛の関係

  • 首の後ろがつっぱる
  • 頭が重い、目の奥がしんどい
  • デスクワーク中に頭痛が出る

こうした症状は、後頭下筋が硬直して首と目の連動がうまくいかなくなった結果として起こります。筋肉そのもののコリというより、「目の動きと首の反射がずれること」が根本の原因になっていることがあります。

整体でのアプローチ(基本方針)

「後頭下筋はとても小さい筋肉。軽い手技で変化がなければ、その手技で深追いしない。」

強く押したり揉んだりしてしまうと、逆に緊張が強まり、症状が悪化する可能性があります。アプローチの基本は最小限の刺激で反応を見ること。軽いタッチで感覚が整えばそれで十分。変化がなければ、別の角度(神経系や姿勢)からアプローチします。

施術の流れ(例)

  1. 軽い手技で後頭下筋の緊張を解放
    触診で過緊張を確認し、ソフトタッチで感覚入力。反応が乏しければ深追いせず切り替える。
  2. 目と首を動かすトレーニング
    首の微細運動+視線固定の練習で、首と目の連動を再学習。
  3. 姿勢の修正
    長時間のデスクワークで崩れた体幹や呼吸のパターンを整え、再発しにくい環境をつくる。

セルフケア

  • 親指フォローエクササイズ:親指を前に伸ばし、頭を左右に動かしながら親指を目で追う。
  • 目と首のリフレッシュ:1時間ごとに画面から目を離し、遠くを見る+軽く首を回す。
  • 寝具の見直し:枕の高さが合っていないと後頭下筋に負担。適度な高さを探す。

まとめ

後頭下筋は、単なる「首の筋肉」ではありません。VORという神経反射を通じて、目の働きや姿勢と密接につながっています。頭痛や首の違和感が「マッサージしても戻ってしまう」と感じる方は、筋肉だけでなく神経の反射にも目を向ける必要があります。

整体では「筋肉をゆるめる」だけではなく、「神経を整える」視点を持つことで、より根本的な変化を導くことができます。そして重要なのは、後頭下筋のような小さな筋肉に強い刺激を入れるのではなく、軽い手技で変化を確認し、必要なら別の方法を組み合わせていくという柔軟さです。

首や頭痛の不調に悩まれている方へ。「首と目のつながり」を知ることは、解決への大きなヒントになります。

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