首の不調は多くの方が抱えており、中にはスポーツや趣味の動きの中で強く感じる方も少なくありません。
今回は、乗馬をされている方で首の不調を訴えられた方のケースをご紹介します。
首の後ろ、特に後頭下筋付近に違和感があり、長いあいだ首のだるさや重さに悩まれていました。
これまでに全身の整体施術を行うことである程度の軽減は見られたものの、どうしても首の後ろの違和感が最後まで残り、頭痛など日常生活にも影響を与えていました。
お話を伺いながら動きや感覚を確認していくと、ひとつの気づきがありました。
咬み締めてもらうと、左側の咬筋の出力が明らかに弱く、力が入りにくい状態になっていました。
さらに左顎から頬にかけて軽く触れてみると、「右側と比べて敏感に感じる」と感覚過敏の反応がありました。
こうした現象は、首や肩の筋肉だけで説明できるものではなく、顔や顎の感覚をつかさどる三叉神経が関わっている可能性が高いと考えました。
そこで施術では、左右差のある感覚を整えるために、顔まわりに対してやさしい感覚刺激を行いました。
過敏な部位に直接的な強い刺激を与えるのではなく、脳が「心地よい」と感じる範囲でソフトにアプローチすることを意識しました。
すると不思議なことに、左側で感じていた感覚の過敏さがすっと落ち着き、左右どちらに触れても同じような感覚になったのです。
その後に首の後頭下筋に触れてみると、施術前にあった違和感は大きく軽減し、首全体がすっきりと軽くなったとおっしゃっていました。
同時に咬筋の出力も戻り、首から顎にかけての緊張が和らいでいることが実感できました。
まとめ
このケースから分かるように、首の不調は必ずしも首の筋肉だけが原因ではありません。
顎や顔の感覚をコントロールする三叉神経と首まわりの筋肉は密接につながっており、どちらかに不具合があるともう一方にも影響が出てしまいます。
そのため、首の不調を考えるときには、神経と筋肉の関係性を踏まえた視点が欠かせません。
今回の施術では一度で大きな変化が見られましたが、これですべてが解決したわけではありません。
首の不調には他にも姿勢の習慣や呼吸の浅さ、体全体のバランスの問題など多くの要因が関係しています。
継続的なケアを行いながら、ご自身でもセルフケアを続けていくことが大切です。
一度の変化をきっかけに、体がどうすれば楽になるのかを知ることこそが次につながる大事な一歩だと考えています。
「首のだるさや違和感がなかなか取れない」と感じている方も、神経の視点から見直していくことで新しい発見があるかもしれません。
同じようなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談くださいね。
※このブログはボク自身の学びや気づきをアウトプットする場でもあります。
専門的にみると違う表現、多少の誤解を招く可能性がある表現も含まれるかもしれません。
その点についてはご理解いただければ幸いです。
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