足の感覚が全身を変える理由 〜固有受容覚への刺激がもたらす身体変化〜
Instagramで、私自身が行っている「足の感覚ワーク」を少しずつ公開しています。
話すことはせず、ただワークのビフォーアフターだけを見せるシンプルな動画です。
それでも、動きの変化や可動域の広がりを感じ取ってもらえると思います。
一見すると地味な動きですが、これらのワーク(踵骨・楔状骨・舟状骨・立方骨・足首の動き)はすべて、
「足の感覚=固有受容覚」への刺激を目的としています。
そしてこの“感覚入力”こそが、全身の動きを変えていくための最初のスイッチです。
なぜ、足の感覚を整えると全身が変わるのか
私たちは毎日、歩いたり立ったりしています。
しかし、その多くの動きは「同じ方向」「同じ強さ」「同じ範囲」で繰り返されています。
つまり、脳が受け取る感覚情報が偏っているということです。
足の裏や踵骨、足首まわりには多くの感覚受容器があります。
これらは、体の位置や重心、傾きなどを常に脳へ伝えるセンサーです。
しかし、同じ姿勢・同じ靴・同じ動きの中で生活していると、
このセンサーの働きが徐々に鈍くなっていきます。
FNT(Functional Neuro Training)では、こうした足のセンサーに新しい刺激を与えることで、
脳が「体の地図」を再び鮮明に描けるようにしていきます。
その結果、姿勢や動きの制御がスムーズになり、首や肩の動きまで自然と変わるのです。
首の動きが変わる理由
足の感覚と首の動き。
一見すると関係が薄そうですが、実際はとても深くつながっています。
踵や足首からの感覚情報は、脳幹や小脳、前庭核を通じて、
姿勢や頭部の位置をコントロールする神経経路に影響します。
つまり、足の情報が正しく脳に届けば、
首を支える筋肉や目線を安定させる神経系も正しく働くようになるのです。
多くの方が「首が回りづらい」「姿勢が崩れる」と感じるとき、
実はその原因が足の感覚入力の偏りにあることも珍しくありません。
日常の中で失われる“多様な刺激”
人の体は、本来あらゆる方向に動けるように作られています。
しかし、現代の生活では椅子に座る・同じ靴を履く・同じ道を歩くといった習慣の中で、
ごく限られた方向にしか刺激が入らなくなっています。
その結果、脳が受け取る情報は単調になり、
「今、自分の体がどう動いているか」「どの位置にあるか」を正確に把握できなくなります。
これが、肩こりや首のつまり、バランスの取りづらさなどの土台になるのです。
自分で動かすだけでは届かない場所がある
固有受容覚を高めるには、「動かす」だけでなく、
“どう動かすか”が重要です。
例えば、ただ足首を回すのではなく、
壁や椅子、床などを利用して“目標を設定して動かす”ことで、
脳が「届かせよう」とする感覚を再び使い始めます。
これが、FNTで大切にしている“意識的な感覚刺激”です。
単なるストレッチや筋トレとは異なり、
「ここに触れたい」「ここまで届かせたい」という意図をもった動きが、
感覚受容器を目覚めさせ、体の地図を書き換えていくのです。
私がこのワークにこだわる理由
私はこれまで、
揉む・剥がす・緩めるといった多くの施術法を学び、実践してきました。
しかし、どんなに柔らかくしても、またすぐに戻ってしまう人がいた。
その理由を追いかけて辿り着いたのが、この「感覚から整える」という考え方でした。
感覚を変えることで、脳の反応が変わり、
結果として筋肉の緊張や姿勢、動作までもが変わっていく。
これをFNTを通じて日々体感しています。
だから私は、足のワークを「補助」ではなく「軸」として取り入れています。
足の感覚は、すべての動きのはじまり。
足が目覚めることで、体は本来の動きを取り戻します。
最後に
動画で見せている変化は、ほんの一瞬のものかもしれません。
しかし、その瞬間の裏側では、
脳と体の関係性が確実に変わっています。
足から整えることは、単なる整体のテクニックではなく、
“自分の体を再び感じる”ための大切なステップです。
これからも、足の感覚を通じて、
皆さんがより自由に、軽やかに動ける身体を取り戻せるよう、
日々のワークと施術を重ねていきます。
たぐち整体ぐっすり福岡天神院 田口
やさしい整体で、体を本来の動きへ
たぐち整体 ぐっすり 福岡天神院は、やさしいタッピングを中心とした神経アプローチで、
姿勢・呼吸・体の使い方を整える整体サロンです。
スマホ首・肩こり・頭痛・腰痛などの慢性不調・自律神経系の不調でお悩みの方が、自然な呼吸と正しい姿勢を取り戻し、
毎日をもっと快適に過ごせるようサポートしています。