五十肩(肩関節周囲炎)で腕が上がらない方へ—痛みと可動域の悩みを、からだ全体から見直す
五十肩とは
一般に「五十肩」と呼ばれる状態は、肩関節周囲の炎症や関節包の癒着によって、痛みと可動域制限が起きている状態を指します。医学的には肩関節周囲炎と呼ばれ、発症から時間の経過とともに「痛みが強い凍結前期」「動かしにくさが強まる凍結期」「少しずつ動きが戻る解凍期」という流れをたどることが多いです。夜間痛や着替え・髪を結ぶ動作のしづらさ、背中に手が回らないといった日常動作の困りごとが起こり、放置すると生活の質が大きく下がります。
肩の問題は肩そのものだけでは完結しません。肋骨や胸郭、胸椎、鎖骨、肩甲骨の動き、さらに呼吸の深さや骨盤・足部の安定性までが影響し合います。たぐち整体では、からだ全体の連動と神経のはたらきに注目し、痛みの軽減と可動域の回復を同時にねらいます。
気をつけること
痛みが強い時期に無理なストレッチや根性での反復運動を続けると、かえって炎症が長引くことがあります。肩を守るためには、痛みを合図として刺激量と方向をていねいに調整し、呼吸に合わせて短時間・低負荷で動かすことが大切です。夜間痛が強いときは寝姿勢や枕の高さを見直し、横向き寝では患側の肩がつぶれないようクッションで支えるなどの工夫が役立ちます。発赤や熱感、強い腫れ、外傷後の激痛など、通常と異なるサインがある場合は医療機関での評価をおすすめします。
一般的な治療法
一般的には、医療機関での診察のうえで、安静と疼痛コントロール、関節可動域エクササイズ、姿勢・肩甲帯の運動学的トレーニングなどが行われます。局所の炎症が強い時期にはアイスや薬の使用が提案されることもありますし、時期に応じて段階的にストレッチや筋力トレーニングが追加されます。重要なのは、「痛みが落ち着く過程」と「動きを取り戻す過程」を適切な順序で進めることです。
たぐち整体の考え方(肩関節の安定性と動きの連動の再教育)
肩は上腕骨頭と肩甲骨の関係だけでなく、肩甲骨が胸郭の上を滑る「第2肩関節(肩甲胸郭関節)」の機能が鍵を握ります。上腕骨頭をソケット中央に保つ求心性が弱いと、挙上のたびに関節包前下部へ負担が集中し、痛みやつっぱりとして現れます。そこで、当院では「肩甲骨の滑り」「鎖骨の回旋」「胸郭の拡がり」「胸椎の伸展」を整え、上腕骨頭が自然に中央へ収まる感覚を呼び起こすことを重視します。
具体的には、呼吸に合わせた肋骨の可動化、首から胸にかけての筋膜の張力調整、鎖骨—胸骨—肩鎖の連鎖を促す軽いタッピング、肩甲骨下角の誘導により肩甲上腕リズムを再学習します。関節包前下部の拘縮感が強い場合でも、いきなり強く伸ばすのではなく、痛みの出ない角度での微小なスライドと、肩甲骨の後傾・外旋を同時に引き出すことで、負担を分散させながら可動域を取り戻していきます。結果として「背中に手が回る」「上の棚に手が届く」といった動作に少しずつ前向きな変化が生まれます。
FNT(ファンクショナル・ニューロ・トレーニング)でのアプローチ
FNTの視点では、肩の動きと痛みの背景に「筋のトーン(張力)のアンバランス」がしばしば存在します。とくに屈筋群が過活動で伸筋群が抑制されると、腕を挙げる初動で首や胸の前面が過緊張になり、上腕骨頭が前方に逃げやすくなります。ここに視覚・前庭覚・体性感覚の入力を用いて、筋トーンのバランスと姿勢反射を整えます。
たとえば、痛みの出ない範囲での眼球運動と呼吸を同調させると、頸部—肩甲帯の余計な緊張が下がり、肩甲骨が後傾しやすくなります。軽いハミングや長い呼気は迷走神経系の落ち着きを促し、力みやすい屈筋の過活動が和らぎます。足底や体幹の感覚入力を先に高めてから肩を動かすと、全身の支持性が上がり、肩だけに力が集まりにくくなります。こうして「屈筋が優位で伸筋が働きにくい」パターンから、「必要なところに必要なだけ力が入る」状態へ導き、挙上や結帯動作をスムーズにしていきます。
たぐち整体では、視線の方向づけと呼吸を合わせたペンドゥラム様の揺らぎ、壁を使った軽いスライドで肩甲骨の後傾・外旋を促す練習、骨盤と胸郭の回旋を小さく連動させる立位ドリルなど、段階的に実践します。痛みを増やさない速度と角度を見極め、短時間・高頻度で「神経が覚えやすい入力」を積み重ねることがポイントです。
まとめ—肩だけを攻めず、からだ全体と神経のはたらきを整える
五十肩は時間経過とともに変化するため、どの時期に何をするかの見極めが大切です。たぐち整体では、肩を直接強く伸ばす前に、胸郭・肩甲帯・鎖骨・胸椎の動きと、呼吸や体性感覚の土台を整えることで、痛みに配慮しながら可動域の回復をめざします。さらに、FNT(ファンクショナル・ニューロ・トレーニング)の視点で屈筋と伸筋のトーンを調整し、視覚・前庭覚・体性感覚の入力を活用して、動作そのものをやさしく再教育していきます。
「痛いから動かさない」でも「痛くても無理に動かす」でもない、からだが受け入れやすい一歩ずつの調整。それが結局は近道になります。福岡天神で五十肩による痛みや腕が上がらないお悩みが続いている方は、どうぞご相談ください。あなたの肩と全身のバランスを確認し、現在の段階に合った施術とセルフワークをご提案します。私、田口が責任をもってサポートします。
やさしい整体で、体を本来の動きへ
たぐち整体 ぐっすり 福岡天神院は、やさしいタッピングを中心とした神経アプローチで、
姿勢・呼吸・体の使い方を整える整体サロンです。
スマホ首・肩こり・頭痛・腰痛などの慢性不調・自律神経系の不調でお悩みの方が、自然な呼吸と正しい姿勢を取り戻し、
毎日をもっと快適に過ごせるようサポートしています。