長年肩こりに悩まされている方は、「この肩こりはもう仕方ない…」と諦めてしまいがちです。デスクワークによる同一姿勢、スマホの長時間操作、ストレスや睡眠不足などが積み重なり、つらい肩の痛みや重だるさ、首の張り、頭が重く感じる…そんな毎日を送っていませんか。肩周辺の筋肉が硬くなり、可動域が狭くなることで、仕事にも集中できず、気づけば疲れが抜けない体になってしまっていることも少なくありません。
肩こりは「疲れ」「肩が重い」「首も張る」だけではなく、放置すると痛みが慢性化し、頭痛・めまい・自律神経の乱れなど全身に影響を及ぼす可能性もあります。まずはこの「辛い肩こり」がどんな状態なのか、理解するところから始めましょう。
どんな状態か
肩こりとは、肩・首・背中の上部にかけての筋肉・関節・神経に負担がかかり、慢性的な張りや痛み、可動域制限、さらには感覚異常(チクチク/ジンジン)を伴う状態を指します。
例えば、肩を上げたり回したりした際に痛みや動きの違和感を感じる、朝起きたときに肩が鉛のように重い、夜寝ているときに肩が気になって目を覚ます…など、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
肩こりの原因には、肩甲帯(肩甲骨周辺)や鎖骨・肩関節・頸椎(首)といった複数の構造が関与しています。例えば「肩関節インピンジメント症候群(Shoulder Impingement)」は、肩甲上腕関節の下にある空間が狭くなり、腱・滑液包(バース)・関節包が挟まれてしまうことで痛みが出るとされています。
また、世界的な調査では肩痛を訴える人の割合が16%前後にも及ぶというデータもあり、かなり多くの方が経験している不調です。
なりやすい方
肩こりになりやすい方には、以下のような傾向があります。
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長時間のデスクワークやスマホ操作、同じ姿勢を続ける方。
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前かがみや猫背、巻き肩といった姿勢を長時間とっている方。
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運動量が少なく、肩甲骨周囲や背中の筋肉が硬くなっている方。
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ストレスが多く、睡眠の質が低下している方。
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年齢の上昇に伴い、筋力低下・腱の変性・血流低下などが起きている方。
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過去に肩や首を痛めた経験がある方、肩の手術歴・頸椎疾患を抱えている方。
こうした要因が複数重なることで、「ただの肩こり」ではなく、慢性痛・可動域制限・頭痛・自律神経症状などに発展するリスクが高まるのです。
一般的な対処法
肩こりの対処法として広く知られているものには以下があります。
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軽いストレッチや肩甲骨を動かす運動で筋肉の緊張をほぐす。
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姿勢を正しく保つための意識改善(猫背・巻き肩の修正)。
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温め・冷やしの物理療法。入浴や温湿布で血流を促す。
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マッサージや整体、指圧といった手技療法。
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鎮痛剤・湿布などの薬物療法(医師の指導のもとで)。
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ストレス・睡眠・休息を含む生活習慣の見直し。
ただし、これらはあくまでも“対処的なケア”であって、根本的な原因(姿勢・神経機能・感覚入力など)に対してアプローチしたものではないことも多いのが現実です。例えば、肩に痛みが出ていても、原因が肩関節ではなく首や腰・体幹、あるいは神経系にあるケースもあります。米国のレビューでは、肩こり・肩痛症例の中で構造的所見と痛みとの相関が必ずしも明確でないことが指摘されています。
たぐち整体の考え方
たぐち整体では、肩こりだからといって肩だけを揉む・温める・伸ばすという方法では限界があると考えています。なぜなら、肩こりの背景には「姿勢の崩れ」「足裏からの感覚入力の低下」「神経系の不調」「自律神経の乱れ」「脳の働きのズレ」など、複数の要因が潜んでいるからです。
例えば、長時間のデスクワークで前傾姿勢が続けば、巻き肩・肩甲骨の可動制限・首の筋緊張が起きやすくなります。さらにその姿勢の中で“足裏のアーチ低下”“床からの感覚刺激の不足”が起これば、脳が姿勢や動きを正しく認知できなくなり、肩こりが慢性化することもあります。たぐち整体ではこのような全身のバランスを“足裏から”捉え、「足裏→感覚入力→脳神経→姿勢・肩甲帯」という流れを整えることを重視しています。
足の問題は座り方にも影響します。
この考え方を分かりやすく例えるなら「肩こりという山の頂上だけを整えるのではなく、山の根元=足元から整える」というアプローチです。こうすることで、肩・首・背中だけでなく、姿勢・呼吸・神経機能・感覚入力までが連動して変化し、再発しにくい身体へ導くことが可能になります。
FNTによるアプローチ
たぐち整体で取り入れている「FNT(ファンクショナル・ニューロ・トレーニング)」は、機能神経学の観点から脳・小脳・迷走神経・体性感覚・前庭覚・視覚といった複数の神経系を調整し、身体の動き・姿勢・感覚入力を再教育します。肩こりにおいてもこのアプローチは非常に有効です。
具体的には
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足裏や足首・ふくらはぎへのタッピングや振動刺激により体性感覚入力を活性化し、脳に姿勢や動きを再認識させます。
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姿勢検査や反射テストを用いて「肩だけは悪くないか?」「足からのズレはないか?」を評価。
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首肩だけでなく「頭部・脳・小脳」の連動をチェックし、肩甲帯・頸椎の負荷を減らすように体幹や下肢との関連を整えます。
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最後に、肩甲骨や胸郭、肩関節の動きを連動させながら、肩こりが再発しにくい“神経・感覚・動作”のパターンを構築します。
このように身体の内部から整えることで、「肩こり=肩を揉むだけ」という従来の常識を超えたアプローチが可能になり、結果として “痛みを繰り返さない体づくり” に直結します。
諦めないで
「ずっとこの肩こりと付き合っていくしかないのかな」「マッサージを受けても翌日にはまた戻る…」と感じている方へ。
肩こりは“末端だから仕方ない”ではなく、“身体全体の使い方や神経・感覚の入力が整っていない”から起きていることがあります。
あなたの肩こりが慢性になっているのであれば、肩だけでなく「足裏からの感覚」「脳と神経の働き」「姿勢や動作の連動性」にも目を向けることで、思いもよらなかった変化が起きるかもしれません。
どうか諦めず、自分の身体に「変化させていける力」があることを信じてみてください。
まとめ
肩こりは、ただ肩だけが悪いわけではなく、足裏からの感覚入力や脳・神経・姿勢・動作という“身体の流れ”全体が関係しています。一般的なストレッチや姿勢改善も非常に大切ですが、たぐち整体ではさらにその先の「体の中の感覚・神経・動きを再教育するFNT」で根本改善を目指します。
長時間のデスクワーク、巻き肩、スマホ操作などで肩こりに悩むなら、一度「足裏からの調整」も含めて全身を整える施術を受けてみてください。あなたの肩こりが再発しない体へと変わる第一歩になります。